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Announcing Penis Protocol: Privacy-Preserving Distributed Hash Computation Technology
株式会社 AokiApp(Chief Information Knowledge Officer 青木勇樹、以下「当社」)は、ハッシュ値を分散的に計算するプロトコルを開発しましたが、この度、本プロトコルを公開いたします。
概要
昨年 11 月、プライベートな情報を通信相手に開示することなくハッシュ値を分散的に計算する技術を発明し、特許を出願したことをお知らせしました。
AokiApp、プライベートな情報を明かすことなくハッシュ値を計算する新技術を発明
2025 年 4 月 1 日、本発明の参考実装を開発し、プロトコル仕様を定めましたので、ソースコード等一式を公開いたします。併せて、発明があったことを証明する NFT(UNTI)も公開いたします。
なお、UNTI や本技術に関連するエアドロップはございません。本当です。
発明の概要
本発明は、機密情報の保護と情報の検証可能性を両立しつつ、その上、既存技術との互換性を損なうことなくデータの整合性を確認することを可能にします。
Secure Hash Algorithm(SHA)の処理フローや暗号学的性質を応用し、Partially Executed Nth-round Intermediate State(部分的に処理された N ラウンド目の中間状態)を利用することによって、以下の特徴を実現しています:
- 分散計算: ハッシュ値を 2 つのコンピュータ間で協調して計算
- 機密性保持: 通信に機密情報を含まない
- 互換性: 従来の SHA ハッシュ関数と同一の計算結果を生成
ハッシュ値を 2 つのコンピュータ間で協調して計算することができ、その際にコンピュータ間で送信される電文には機密情報が含まれず、それにもかかわらず 1 つのコンピュータで完結する通常の SHA におけるハッシュ関数と同じ計算結果を得ることができます。
これにより、機密情報が含まれるデータの検証等に SHA ハッシュ値を利用する場面において、相手方コンピュータに機密情報が知れ渡ることを防ぎながら、検証等を遂行することができます。
本発明は伝統的なコンピュータだけでなく、スマートコントラクトやブロックチェーン技術を利用した分散型アプリケーション(DApp)においても利用可能な Web3 ネイティブな技術です。機密情報を隠したり、NFT のメタデータを隠したりすることができるため、プライバシーを重視した DApp や NFT プロジェクトにおいても利用されることが期待されます。
発明に対する Vision
発明にあたり、以下を念頭に置いて開発しました。
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Solid: 歴史ある堅い技術との融合を目指すとともに、Solidityで実装可能である
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Bold: 太く、大胆なアプローチである
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Black: マネタイズを念頭に、黒字をもたらすことが期待される
また、プロトコルの愛称「ピーナス・プロトコル」は、技術を率直かつ最も端的に表すアクロニムをベースに、ピーナツのような親しみやすさ、また、ビーナスのような優美さを感じられるように命名しました。
参考実装
本発明を Rust 言語で実装し、Partially Executed Nth-round Intermediate State を 2 つのコンピュータ間で送受信するためのプロトコル「ピーナス・プロトコル」を開発しました。この度、ソースコードを公開いたします。
GitHub より閲覧・ダウンロードできます。
Force Push していないクリーンなコミット履歴より、開発の軌跡を確認できます。
ソフトウェアライセンスは AokiApp Normative Application License です。
ソフトウェアライセンスについて
現時点で、本参考実装を他者に利用されることを意図しておりません。また、本技術の知的財産の権利は当社にあります。本参考実装に既存のオープンソースソフトウェアライセンスを適用することは適当でないため、当社独自ライセンス「AokiApp Normative Application License」を適用します。
本ライセンスは規範的なライセンスであり、改変・再頒布を含む私的複製を超えた利用や特許の実施を明示的に禁じています。コントリビューションも禁じられます。但し、著作権・知的財産の侵害しなければ情報解析(AI 学習を含む)に利用することは問題ありません。
今後、特許が登録され、また、無償での利用を開放する、かつ/または、有償での利用のルールや実施料を決定したのち、ライセンスの制限を緩和する予定です。
Solidity 実装について
Solidity での実装は、鋭意開発中です。今後公開する予定です。
発明証明 UNTI
発明が遅くとも 2024 年 1 月 24 日に存在していたことを示す UNTI 規格の転送不可 NFT を発行しておりました。初めて公に明らかにします。
UNTI とは、代表・青木が提案した転送不可 NFT の拡張規格EIP-6268 Untransferability Indicator を指します。
成果物をまとめた TAR ファイルの SHA-256 ハッシュ値が記録されています。SHA-256 に基づき完全な互換性がある本プロトコルを用いて検証することができます。
ブロックヘッダを検証し、ご確認ください。
発行に係る情報
ブロックチェーン | Ethereum (Chain ID: 1) |
スマートコントラクトのアドレス | 0xbe3682ade631cfac6ad9007f99f4dc39eb08307f |
トークン規格 | EIP-1155 (Multi Token Standard) + EIP-6268 (Untransferability Indicator) |
提出日 | 2024 年 1 月 24 日 |
提出したトランザクションのハッシュ値 | 0x0d4cecd19b8fceaf2ac2f563e31050d0f4573acf20f4768d39dfc259df73d2cf |
トランザクションが取り込まれたブロックの通し番号 | 19077698 |
エアドロップ
トークンのエアドロップはございません。本日はエイプリルフールですが、エアドロップは本当にありません。
技術の安全性
本発明の暗号学的性質や強度について、定量的な評価を行うには至っておりません。 例えば、Partially Executed Nth-round Intermediate State から元の秘密ブロックに関する情報が漏洩する、 Partially Executed Nth-round Intermediate State を偽造し、不正に検証を回避する、 などといった攻撃の可能性は否定できていません。
今後の研究において、これらの攻撃に対する耐性を評価し、必要に応じてプロトコルの改良を行う予定です。
今後の展望
エンタープライズ向けサポートつきの商用利用(ホワイトラベリング OK)や、特許のライセンス提供を予定しています。 さらに、当社サービスの一部として、または他社サービスとの連携において、本プロトコルを利用した新しい機能やサービスを開発することも検討しています。
本技術に関するお問い合わせ
本技術のご利用を希望される方や、ご質問、ご意見などございましたら、以下のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
また、X(旧 Twitter)アカウントを開設しました。技術に関する情報や、開発の進捗などをお知らせしますので、ぜひフォローしてください。
また、本ブログ記事を SNS でシェアして頂き、感想をお寄せ頂けると嬉しいです。ぜひ感想をお聞かせください。
おわりに
本記事では、当社が開発したプロトコルについて、その概要や技術的背景、参考実装、そして今後の展望についてをご紹介しました。本プロトコルは、機密性と検証可能性を両立させる新しいアプローチを提供し、Web3 時代におけるプライバシー保護や分散型アプリケーションの発展に寄与することを目指しています。
なお、本記事はエイプリルフールに合わせて公開されていますが、実際の技術内容や特許に関する記述は嘘偽りない真面目なものであり、真摯な評価と議論に値するものと考えています。 当社では、プライバシーと透明性を両立する技術の研究開発に引き続き取り組んでまいります。
当ブログをお読みいただき、ありがとうございました。引き続き、株式会社 AokiApp をよろしくお願いいたします。