enPiTに参加しました(簡易版)

公開日
:
2026年2月13日
ポエム
筑波大学大学院の授業に、通称enPiTというものがあります。3か月くらいかけて課題を解決するグループワークのような授業です。この度本授業を履修しました。最終レポートとしてブログを書くことが課されており、ここにレポートを記します。
なお、本来の期日は2/11ですが、執筆時点で2/14、大遅刻をしております。時間がないので、VAGINAに2時間インタビューしてもらい、そのメモから生成したインタビュー記事でごまかします。読み応えがないですし、プロンプトテクなど技術話がないですし、今度人力完全版を出します。いつか。
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VAGINAとは?
Voice AGI Notepad Agentの略。今年のエイプリルフールのネタ。
以下、VAGINA & Claudeによるインタビュー記事。

enPiTで「君のヒント」を作った話 ― 青木さんインタビュー
enPiTのチーム開発で、初対面の自己紹介をクイズで覚えやすくするアプリ「君のヒント」を作った青木さん。社会人大学院生としてチームに加わり、テックリードとしてプロダクトを完成に導いた一方で、チームマネジメントやAIツールの導入では想定外の壁にぶつかったという。議論が止まった日々、デモ直前の総力戦、そしてアジャイルとAI開発のジレンマ――3か月間の開発を振り返ってもらった。

開発したプロダクトについて
――今回開発したプロダクトについて教えてください。
「君のヒント」というアプリを作りました。初対面の場で、名前を含めた自己紹介をちゃんと覚えてもらうためのアプリです。
仕組みとしては、まず自分のプロフィールを作って、それをもとにクイズが自動で生成されます。集まった人同士がスマホでそのクイズを解き合うことで、受け身じゃなくて能動的に相手のことを覚えられる。クイズが終わったらプロフィールも保存できるので、後から見返すこともできます。
クイズで覚えて、プロフィールで定着させる。その2段階で、お互いの名前や特徴を自然に覚えて、関係構築をスムーズにしようというのが狙いです。

チームについて
――チームはどんな構成でしたか?
5人チームでした。私は社会人大学院生として参加していて、他のメンバーは学部生や大学院生です。
「君のヒント」の発案者がいて、この人が(名目上の)プロダクトオーナー的な立ち位置でした。製品の方向性やUI/UXに関する最終判断を引き受けてくれていたんですが、結果的にその人に責任が集中してしまった面はあったかなと思います。それから、(名目上の)スクラムマスターを担ってくれたメンバーがいました。この人はとにかく正直に意見を言ってくれる人で、独り言程度の細かいことでも臆せずアイデアを出そうと努力してくれていた。大学1年生なのに、思ったことをしっかり口にできるのは本当にすごいなと。チームの中で貴重な存在でした。
プログラミング経験が一定あるメンバーもいましたし、研究でPythonを触っていた大学院生もいました。スキルセットはバラバラでしたね。
私自身はWeb開発の経験がありました。いちdevのつもりで過ごすつもりでしたが、結果的にテックリード的な立場でプログラミング全体をリードすることになりました。
――チームとしての課題はありましたか?
全体として、メンバーの開発経験が浅かったので、コードを書くこと自体がまず大きなハードルでした。あと、チーム内で「わからないことをすぐ聞ける雰囲気」を作りきれなかったのは反省点です。質問せずに一人で抱え込んでしまう場面もあって、もっと早い段階で声をかけやすい環境を整えるべきだったなと思います。
それと、役割分担が曖昧なまま進んでしまったところもありました。誰が何を担当するのかが明確じゃないと、チームって動きにくいんですよね。

プロダクトとチームの軌跡
議論が前に進まなかった時期
――開発の中で、大変だったのはどのあたりですか?
最初の壁は、議論がずっと平行線で開発に着手できなかった時期ですね。機能の優先順位がまったくつけられていなくて、大きな機能も小さな機能も全部横並びのまま、何から手をつけるか決まらない。
当時はチーム全体として、「君のヒント」の中にクイズとプロフィールという2つの大きな機能があるということ自体を、明確には意識できていなかったんです。細かい機能がたくさん並んでいる中で、どれが幹でどれが枝なのかが見えていなかった。
そこで自分から「堂々巡りになっていないか」と率直に伝えました。正直、勇気が要りましたけど。その上で「クイズとプロフィール、この2つがコア機能だよね」という整理を提案しました。メンバーも「確かにそうかも」と反応してくれて、この2軸を意識できるようになったことで、スプリントバックログもコア機能とそれ以外にセクション分けできるようになった。何を優先すべきかが見えるようになって、やっと開発に着手できるようになりました。
Miroで価値検証
――ターニングポイントはありましたか?
一つ目は、オンラインホワイトボードMiroを使った価値検証です。プロダクトを完成させる前に、Miroにクイズの内容やプロフィールを書いて、一部を隠してクイズを解くっていうのをやってみました。アナログなやり方ですけど、「クイズで人の名前を覚えやすくなる」というコアの価値をプロダクト完成前に確認できたのは大きかったです。
バックエンドAPIの構築
二つ目は、私がバックエンドのAPIを書いたことです。それまではローカルストレージに全データを入れていたので、複数のスマホで同期が取れなかった。必要になる機能をあらかじめ見越してAPIを設計・公開したことで、システムとしての方向性が明確になりました。地味なんですけど、これでパラダイムが変わった感はあります。
デモ1週間前の追い込み
――プロジェクトの終盤はどうでしたか?
デモの1週間前まで、正直ほとんど機能が完成していませんでした。さすがにメンバーにも危機感が出てきて、「もう細かいこと気にしてる場合じゃない」という空気になった。
そこでGitHub Copilotの学生プランに全員登録してもらって、イシューを立ててCopilotに解かせるっていうワークフローを作りました。私はAIへの追加プロンプトで軌道修正しながら全体を回す役割で、メンバーには授業時間外でもイシューを書き続けてもらいました。AIの目線でいうと、Playwrightの代わりに人間を使って、人間MCPを使ってE2ET/VRTを行い、人間Sub Agentがバグレポートをpost backしていたような感じですね。
メンバーも徐々にCopilotを使えるようになってきて、開発が一気に加速しました。デモも無事に成功したんですが……まあ正直なところ、Copilotの力に大きく助けられたデモでした。

AIツールの話 ― なぜCopilotが最初は定着しなかったか
――開発中のAI活用で印象的だったことは?
面白かったのが、メンバーにGitHub Copilotの使い方を伝えたんですけど、最初はなかなか使ってもらえなかったんですよ。みんなGeminiやChatGPTの無料版をチャットUIで使って、コードの断片をもらってコピー&ペーストしていた。コンテキストエンジニアリングなんて概念はない。
Copilotのエージェント型UIって、プロンプトを入れたら自動でコードが生成されるじゃないですか。便利ですよね。でもメンバーはそれよりも、チャットで一問一答する方を選んでいた。
最初は「それ非効率じゃない?」って思ったんですけど、考えてみると、チャットUIって会話の履歴が残るし、一つずつ確認しながら進められるから安心感があるんだろうなと。エージェント型は中で何が起きてるか見えにくいから、ブラックボックスっぽく感じるのかもしれません。
チャットのほうが「手触り感」があるというか、自分でコントロールしている感覚がある。そのへんのギャップが、定着しなかった原因の一つだったのかなと思っています。

フィードバックとレビューの話
――授業でのレビューはどうでしたか?
毎日ショートレビューがあって、3時間の授業のうち30分はレビューと振り返りに使っていました。頻度はかなり高かったですね。
ただ、こちら側の準備が全然できていなかった。どの観点でレビューしてほしいか、今回見てほしいポイントは何か、今日価値検証したいユーザー体験は何か――そういうことを事前にチームで話し合わずに、その場しのぎでレビューに臨んでしまっていたんです。
結果として、もらえるコメントも一般的なものが多くて、こちらの本当の課題に対する深い気づきは得られなかった。でもそれはレビュアーのせいじゃなくて、我々の準備不足だったなと。レビューの時間を有効に使えなかったのは、もったいなかったですね。

アジャイルとAI開発のギャップ
――アジャイル開発とAI活用の関係について、何か感じたことはありますか?
これは今回の学びの一つなんですけど、アジャイルってドキュメントを最小限にして柔軟に動く思想じゃないですか。でもAIに動いてもらうには、プロンプトという形で結構ちゃんとした要件定義が要るんですよね。何をどう作ってほしいか、明確に言語化しないとAIは期待通りに動いてくれない。
授業ではアジャイルを学ぶことが一つの目標だったので、AIをガッツリ活用しようとするとアジャイルの考え方とぶつかる場面がありました。私自身、今後も考えていきたいテーマですし、AIアダプションが大学の講義の場でも進んでいくでしょうから、授業のテーマとしても考えるべきですね。

個人的な振り返り
AIを使いこなすって、実は難しい
――プロジェクトを通じて、個人的に学んだことは?
一番大きかったのは、AIのアダプションに関する気づきです。
AIを使いこなせる人って、結局、AIがなくてもコードを書ける人なんですよね。プログラムがどう動いているか理解できていないと、AIの出力を評価も修正もできない。逆に、自力でコードが書ける人だからこそ、AIで効率を上げられる。AIなしでプログラムを書けない人がAIを使おうとしても、Better-Googleやメンタルヘルスケアチャットのような使い方にとどまってしまう。
どんなにAIの利用を勧めても、前提知識や成功体験がなければ定着しないんだなと痛感しました。正直に言うと、AIが出てきた頃、「プロンプトエンジニアリング」や「AI研修」「AI導入コンサル」といったものを冷笑していたんです。でも実際にチームで取り組んでみて、一般の人にとっては自分のやりたいことを言語化すること自体が容易じゃないとわかった。AIを使いこなすためには、頭の中でどう動かすか、どうAIにわかりやすく伝えるかを知る必要がある。
AIにわかりやすく伝えるということは、人間にもわかりやすく伝えるということと同じだと思うんです。AIや人間に対して丁寧に、正確に、精密に物事を伝えるスキルが必要だと痛感しました。私のようにプロンプトを自然に作れるのは、振り返ってみれば非常に恵まれた能力なんですよね。それを当たり前だと思って他人に押し付けるのは、ノブレス・オブリージュのようなものだったなと。
この経験から、AI導入コンサルやAI研修といった教育の場には大きな意味があると学びました。人間には教育が必要で、AI研修の重要性は極めて高い。某学生AI起業クラスタを冷笑してましたが、この件を踏まえ、そういったビジネスも軽視してはいけないと、深く理解しました。
マネジメントの難しさ
もともとenPiTに参加した動機の一つが、マネジメントの腕試しでした。「AIツールで個々人の能力を底上げすれば、経験が浅くてもいいチームを作れるのでは」という仮説を持っていたんです。
結果としては、その仮説通りにはいかなかった。自分が手を出しすぎてしまって、メンバーが自分で試行錯誤する機会を奪ってしまった面があったなと。成功とは言い切れない結果でしたけど、踏んでしまったアンチパターンがわかったのは収穫です。今後に活かしていこうと思います。
自分自身と向き合う
あと、自分の感情面にも気づきがありました。うまくいかない時にモヤモヤして、そういう時に他の人への対応が雑になってしまうことがあった。自分のコンディションが態度に出やすいタイプなんだなと。
それから、自分の中にある無意識のバイアスにも気づきました。相手の特定の属性に対して、知らず知らず偏った印象を持ってしまうことがある。それがフラストレーションを増幅させていたということをメタ認知できたのは、大きな学びでした。今後は、そうした自分の傾向を自覚した上で、どう態度やコミュニケーションを改善していくかを意識していきたいです。
動機づけの仕組みの大切さ
プロジェクト終盤で学んだのは、動機づけの仕組みが重要だということです。切迫感がある状況では、メンバーはAIツールにも積極的に手を出すようになりました。でもそれに頼りきるんじゃなくて、日頃から小さい成功体験を積み重ねられる環境を整えることが大事だなと。次にチームを作る機会があったら、最初からそういう環境設計を意識したいと思います。

来年のenPiT受講生へ
――最後に、来年受講する人へのメッセージをお願いします。
伝えたいことが2つあります。
まず、スクラムマスターの役割を軽視しないでほしい。忙しくなるとAMF(振り返りシート)や振り返りの記載、バックログの管理がどうしても後回しになるんですけど、振り返りをやめると悪循環が始まります。最後にブログを書くときや、チームの成長を振り返るときに、記録がないと本当に困る。スクラムマスターは、チームがバタバタしていても振り返りとスクラム管理を維持する役割。そこをちゃんと守れるかどうかで、プロジェクトの質が変わると思います。また、振り返りができなくなると、今私がこのようにインタビューを受けるときも、思い出すのに苦労しますからね。
もう一つは、AMFとバックログを軽視しないこと。面倒でも、これがチームの成長記録になるし、プロジェクトの方向性を確認する羅針盤にもなります。後から振り返った時に「あの時何を考えていたか」がわかるのは、本当に価値があることなので。
AMFをサボったツケ
最終日のAMF(義務)
取材:VAGINA
編集:Claude Opus 4.6

説明しつくせてないことはまだまだあります。
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コミットメントがないならアジャイルやめろ/ウォータフォールって良くね?
夏学期の大失敗の考察とVAGINAへの進化
プロから見た初心者、初心者から見たプロ
他のチームはどうだったか
内省の機会をくれた皆様への感謝
私にとっての飲みニケーションとは何だったのか
などなど
しっかりと人力記事を書きたいと、思ってます…